7月16日 夕方

旧型のダブルデッカー。
車掌さんも乗ってるやつ。
今はほとんど新型のやつで、ワンマンカー。
旧型はトラファルガー・スクエアのあたりから
二路線だけ走ってるんやそうです。
で、そのトラファルガー・スクエアでふと思ったんです。
ローストビーフが食べたい…。
英国料理ゆうたらフィッシュ&チップスとか
ステーキ&キドニーパイとか
そんなんやとおもてましたが、
すっかり忘れてました、ローストビーフ。
ローストビーフゆうたらシンプソンズ。
へんなアタマと目ぇしたアニメーションちゃいますよ。
ちゃんとしたレストランです。
で、せっかく食べるんやったらシンプソンズのローストビーフ。
便利になりましたな、iphoneで地図みたら電話番号まで教えてくれはる。
それも指一本でさわるだけ。ほな直通。
「はいシンプソンズ」
「今晩予約いけますか?」
ちゃんとしたレストランやさかい、ちゃんと予約しとかな。
「すんません、私、ヂャケットは着てるんです。
でもズボンがね…」
「半ズボンですか?」
「いやその、ジーンズです」
「パーフェクト!」
ジーパンでカンペキやそうです。
ほないっぺんフラットに帰って
シャワーでも浴びてオシャレして。
午後8時。
有名なサヴォイホテルのお隣さん。
"SIMPSON'S IN THE STRAND"肉料理のええとこゆうたら南海グリルしか知らん私。
あそこの合掌造りも立派やけど、
さすが高級レストラン。
写真バチバチ撮って他のお客さんに迷惑かけたらあかんし
ここで働くスタッフの方々への敬意も込めて
カメラ封印。
なので写真はナシ。
直前の予約やし、一見の客。まぁ末席でもええがな。
席つく前に、「バーで一杯いかがですか?」ときた。
私…「いいですね、ではいただきましょう」
ラウンジバーに通された私にバースタッフは
「ロンドンジンを使ったカクテルなどいかがでしょう?」
座ればそのまんま埋もれるんちゃうかってゆうぐらいの
ふっかふかのソファーに腰かけた私は
「ジンのカクテルより、
キリッと冷えたビールをもらえますか?」
「パーフェクト!」
でた。またパーフェクト。
ピアノの音が聴こえだしたさかい、
テーブルに行ってみよ。
私のテーブルはピアノの横。
私にとってはええ席です。
オーダー聞きに来てくれたウェーター、
どっちかゆうたらバトラーですわ。
ビシっとタキシードでキメてはる。
もちろん私はローストビーフ。
「焼き加減はいかがなさいましょう?」
「レ.レ.レアで…」
「パーフェクト」
でた。またもパーフェクト」
「ソムリエでございます。お飲み物は?」
「あ.あ.赤ワインを…やっすいやつ」
「パーフェクト」
なにゆうてもパーフェクト。
まぁまぁ、ゆうてるまに長〜い帽子かぶったコックさんが
でっかい肉の塊をワゴンにのせてやって来はりまして、
目の前でススッ、ススッ。
よう切れる包丁でさばいてくれるんです。
皿に盛り付けてくれたら今度はあったか〜いグレービーソース。
いやもうたまりません…。至福の時間です。
隣のピアノマンも
なんかよう知った曲ばっかり演奏してくれるんですわ。
”ダニー・ボーイ”やら”グリーンスリーブス”やら。
アイルランドの人なんかなぁ?
知らん間に私もリズムにのったり口ずさんだりしてたんですが、
突然「白樺〜青空ぁ、みぃな〜み風ぇ〜」の旋律が。
”北国の春”ですやん。
確かにまわりのお客さんがた、食事やお喋りを楽しんではって、
ピアノの音は耳に入ってるだけなんかもね。
で、ピアノマン。
ちらちらわたしの方を見ながらポピュラーな曲演奏しはる。
そしたら北国の春ですわ。
その次はスキヤキソングなんですけど、
嬉しかったなぁ。
食事を終え、
ピアノマンに一言声をかけようと思ったんですよ。
そしたらどっかのおばちゃんがワイン片手になんか彼にからんではるわ。
リクエストでもしてるんでしょう。
まぁいいや、ちょこっと声だけかけようと近寄ったら彼、
おばちゃんそっちのけで立ち上がって
私になにかをゆうたんです。
残念ながら彼が私に何をゆうたのかはわかりません。
でも、その目はあきらかに穏やかな目ぇしてはりました。
”I have a good time tonight, Thank you"
これが私にゆえる精一杯の会話力。
感謝の気持ちをさりげなくピアノの上のブランデーグラスにそそいで帰ったのでした。
EMILIANO
posted by Master at 16:50|
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