2011年06月18日

蘇格蘭日記-13

dufftowntower.JPG

夜。
集落の丁度ど真ん中にある搭の横、
"FIFE ARMS HOTEL"
「そこのパブに行ってみれば」とB&Bで教えてもろて、
さっそく出かけました。

このパブ、
店内の隅っこに数人が腰掛けれる程度のカウンターがありまして、
そこに3人の先客がいてはりました。
ソファーとテーブルもあったりするんですが、
そこにはだ〜れも座ってへん。
この日はほんま寒うて、私はまず暖炉の前で手ぇこすりあわせて
「あ〜さぶっ」

すると店のご主人らしきおっちゃんがカウンターの中から
「まぁこっちおいでや」
ほなまぁちょっと失礼しまして、よっこいしょと腰掛ける私。
私の横のお客さんは初老のご夫婦らしきお二人。
カウンターの端っこは毛糸の帽子かぶったおねーさん。
ご主人含めた4人で雑談してはったようでして、
突如現れた東洋人に店内は騒然…とするわけもなく、
何事もないかのように再び雑談する4人と、空気になる私。
なに喋ってはんねやろ?

ふと、ご主人が私にふ振ってきよった。
「あんた、なに人や?」
「オレ?オレはやなぁ…」
「いや、ちょっと待て。当てたる。え〜と、ベトナム人」
ベトナムって…そんなんゆわれたん初めてやで。
「いや、ちゃうで、この顔は中国人で決まりや」
初老の男性がゆうたんですけど…勝手に決めんな。
すると男性の奥さんが
「勝手に決めたったら可哀想やん。韓国人やのに」
あんたも勝手に決めんな。
毛糸の帽子のおねーさんひとりが冷静に
「日本人でしょ?」
「そーそー、そない思ててん」と一同。
うそつけ。

そしてまたもやご主人が
「UKで働いてんのか?」
「いや、休暇で日本から」
この手の問いかけ、実は初めてではなく、
欧州の旅先では必ずゆうてええほど聞かれまくりました。
なんでなんやろ?
ひょっとして、スカウト…?
いや、拉致って売られるとか…?
どおでもよろしいが、正直に観光ゆうてたら、
たいがいは「ふ〜ん」で済みます。

「そおか、ようこそダフタウンへ。記念にウチのライター持ってってくれ」
ご主人がくれたブルーのライター、ほぉ、嬉しいがな。
「ちょっと〜、なによ〜それ」
あらま、急に奥さんが怒りだしよった。
「アタシのライター緑やのに、なんで彼のんはブルーなん?」
「え、え、え…?色がどないかしましたん?」
「アタシはレンジャーズ好きやのに緑のライターやねんで。
こんなんセルチックの色やんか」
えらいお怒りのようで…。
「あの、よかったら、このブルーのんと交換しましょか?」
「えっ?ええの?」
「いいですよ」
「ほんまに?ほんまにええのん?」
いやはや、スコットランドのフットボール界はレンジャースとセルチックが人気を二分してるとは聞いてましたが、
2チームの本拠地はグラスゴウ。
そっから遠く離れたダフタウンでも、
たかがライターの色でやれレンジャースやらセルチックやらゆうとは。
野球でゆうたら巨人みたいなもんなんでしょうが、
粗品でもろたライターはオレンジ色やなかったら嫌やねんってゆうのは聞いたことありません。
まぁ、こうやって私の手元には緑のライターが残りました。

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念願のブルーのライターを手に入れた奥さんは大喜び。
初老の男性がコソッと
「すまんな。彼女はフットボールが好きでなぁ。ワシはクルマが好きやねん」
「ほぉ、クルマでっか。今、何お乗りで?」
「レクサスに決まっとるやんけ。日本車サイコー」
人のこと中国人やゆうといて、ほんまこのオッサン。
「で、君は何乗ってんねんな?」
「アルファロメオに決まってますやん。イタ車サイコー」
「ほぉ、ロメオか。で、年式は?」
「75年式のスパイダーですぜ、だんな」
と、突如としてブルーのライターでウキウキ気分の奥さんが、
「75年式のスパイダー?もっちろんカーブレーターよねぇ?」
えっ?奥さん…フットボールだけやのおて、クルマ趣味も…?
しもたっ…そんな顔の初老の男性。
「さてと…ほな帰る」ゆうて席を立つ毛糸の帽子のおねーさん。
「え〜と、洗いもんせな」ゆうてそそくさと仕事しだすご主人。
そこから延々と、あーだこーだ奥さんのクルマ談義が始まり、
ダフタウンの夜は更けていくのでした。

EMILIANO

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2011年06月15日

蘇格蘭日記-12


フォレスから東に向かってクルマを走らせると、
まもなくエルギンゆう町に着きます。
ここは、スペイサイド地区の中でも町らしい町でして、
”おぉ、ショッピングセンター”なんちゅうもんもあったりします。
シティ派の私にはピッタリですが、
あえてスルー。

エルギンから南へ伸びるA941線。
ここから蒸留所が点在するエリア。
スペイ川の流れるこの一帯は、
今も昔も蒸留所がわんさかありまして、
道沿いに突然現れたりしよる。

b.riach.JPG

更にこの道から1本入って山や林の中へもぐりこんでいったら、
デンデンデーンと蒸留所が現れよる。
マッカランもそんな蒸留所のひとつです。

A941からそれた小道は林の中つきぬけよる。
すると、”マッカランこっち”の看板が。
ほうほう、ほな行ってみよ。

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蒸留所へ続く細い道は…私道?
”ここはワシとこの土地じゃい”ゆうてそうな
マッカランの看板がデーンを立てられてまして、
その間の道を母屋に向かって進みます。
実際はこの土地、ゴールデンプロミス種ゆう麦畑でして、
この品種こそが”ワシがマッカランじゃい”と威張れる要素のひとつ。
残念ながら真冬の麦畑に麦なんかあらへんわけでして、
”おぉ、すげぇ土”ゆうほど畑マニアでもあらへんのでサッサと通過。

macallan2.JPG

それでも、この一帯の緑はなんなんやろ?
気温5度以下でこんな緑が生茂ってるのが、
植物オンチの私には新鮮。

macallan3.JPG

クルマを止めてビジターセンターらしき建物へ向かう私。
そこには、教育ママさん風のメガネのおばさんがいてはって、
「あの〜すんません…見学できます?」
おばさん、キッと睨んで「予約は?」
そない睨まんでもええやんか。
「予約なんかしてませんけど」
「はぁ〜」
ため息かよ。
「ウチは予約いるのよね、も〜」
なんやねん、その態度。せっかく来たのに。こっちが”も〜”やで。
「ほなええわ、帰るさかいさいなら。バイバーイ」
「い、い、いや、アカンゆうてへんやんか。
ちょ、ちょっと待ってくれたら…」
なんや、いけるんやんか。
「10分ほど前に見学ツアーがスタートしたとこやから…
次は1時間後に…」
1時間かいな。「やっぱりええわ。帰る」
「い、いや、10分待って。この書類書き終わったら私が案内するから」
「えっ?かまへんの?」
単なるヤカラですが、駄々はこねどきがあるんです。

10分ほどたって、おばさん
「さあ行きましょう。あ、あと、写真は絶対撮らんとってね。もし撮ったら…
生きては帰さないわよ…ふっ」
もちろん生きては帰れますけど、マッカランは撮影禁止のもよう。

内容は…まぁ、今までまわったとことほぼ一緒で、
醗酵過程やら蒸留過程やら、
もちろん”おいしいとこどり器”も見せてもらえるんですが、
「ここの敷地の地下から湧き水すいあげて造ってんねん」ってゆうてたおばさんだけが印象に残ってます。
ちょっととんがったおばさんでしたけど、
ワガママ聞いてくれてありがとう。

時計の針は午後3時になろうかと。
陽も暮れかけ始め、こんな田舎道では暮れたら真っ暗です。
陽のあるうちに宿とろと思ってた私はひたすらA941を走り、
ダフタウンゆう町…いや、村…ちゃう…集落にたどり着きました。
集落のはずれにある駐車場にクルマを止め、
中心部へと数十メートル歩き、とあるB&Bの玄関をノック。

dufftownb.b.JPG

コンコンコン。
ギィッと扉があいてダンディーなおじさんが「なんだい」
「今晩、泊まれます?」
快く応じてくださり、さっそく部屋に通してもらいました。
とりあえず、一杯飲みたかったんで
「近くにパブありますか?」
「あぁ、すぐそこにあるよ。」
こんなちっちゃい村…ちゃう、集落にもちゃ〜んとパブがありよる。
嬉しなってしもて、挨拶も程々にさっそくそのパブに乗込んだのでした。

EMILIANO

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2011年06月11日

蘇格蘭日記-11


12月16日

朝、7時過ぎには起きて出発の準備。
今日はインヴァネスを離れ、蒸留所の密集地、
スペイサイド地区に行ってみよかと思います。
あーだこーだしてるうちに朝食の時間なり。

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ここ”あじさい”では、
いわゆるスコティッシュブレイクファストももちろんなんですが、
前日にゆうとけば和食も作ってもらえるらしい。
ご飯に味噌汁、焼き魚。
日本人的にはなんとも魅力的なラインナップが食卓に並ぶんやろなぁ…
そんなこと考えながらも私はスコティッシュ風。
食堂に行くと、すでにマイケルさんが作ってくれてはりました。
「おはよーございます。あれ、アヤコさんは?」
「おぅ、ハニーはまだおねんねだぜ」
どうやらアヤコさんは和食担当のようですな。

で、このスコットランド風の朝食がえっらい豪勢でして、
とりあえずオレンジジュースと薄切りトーストが1,2,3…何枚あんの?
で、でっかい皿にタマゴはもちろんサニーサイドで、
半熟仕様のリクエスト。
カリッカリに焼いたベーコンとソーセージに、
真っ二つにぶった切ったトマトのグリル。
極めつけはコテッと盛られたブラックプディングゆう豚の血のソーセージが肉々しさを主張してやがる。
これ、朝メシなん…?
「あっそうそう、ポリッジがもうすぐできるからな」
「ポリッジて…なに?」
「お粥。朝の炭水化物は重要だぜ」
…ほなこのパンはどないやねん。何枚もあるやんけ。

さておき、料理はなかなかのもんでして、
私はこの血のソーセージ、ブラックプディングが気に入った。
マイケルさん曰く、ちょっと臭味あるさかい苦手な人もいてるんやとか。
逆に、私がもうええ…いや、苦手に思ったのがポリッジ。
ブラウンシュガーまぶして食べるらしいけど、
う〜…ちょっとチチくさいし。
ブラウンシュガーまぶすどころか、私はドバドバかけて食ったった。

とにかく朝からこんだけ食ったら、
昼メシどころか晩メシもいらんのとちゃう?
そない思えるほどの豪華ブレイクファストでした。

午前8時半。出発。
まだ薄暗いせいか、アヤコさんはまだスヤスヤ寝てはるそうなんで、
マイケルさんにご挨拶。
「ほんまお世話になりました」
「ああ、またおいでや」
硬い握手で別れ、私は今日もヴォグゾールに乗込みます。

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インヴァネスからA-96線を東へ。
郊外に出ると、左は海、右は牧草地なんかな、
羊さんがボケーっとつっ立ってます。のどかですな。

a96-2.JPG

30分ほど走ると、左は海、右は…
羊さんがまだボケーっとつっ立ってやがる。のどかすぎるやろ。

benromach2.JPG

インヴァネスから1時間。フォレスゆう町。
スペイサイド地区への入口ゆうか、西の端っこゆうか、
A-96から左手に煙突がチラッと見えます。
チラッと見える嬉しさはパンツほどではありませんが、
これはなんかの本で見たベンロマック蒸留所の煙突に違いない。
そない思うとそこそこ嬉しなりまして、
これまたチラッと寄ってみよ。

benromach1.JPG

ベンロマック蒸留所。
数年前に飲んだ、蒸留所の100周年記念ボトルがよかったなぁ。
味は…え〜と、
とにかくラベルがかっこよかったなぁ。
味は…え〜と、きっとおいしかった…かな。
ほんまラベルがかっこよかったなぁ。

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さっそくビジターセンターらしき建物に行ってみたわけですが、
「すんません、見学とかは…」
「あぁ、じゃあ行きましょう」
いきなりかいよ。
案内の担当は今までおばちゃんとかおばあさんやったけど、
ここはなんとおねーさん。ちょっと新鮮。

benromach4.JPG

仕込みや蒸留の過程とか見せてもろてるとき、
所どころで職人さんとすれ違ったんですが、
みなさんニコッと笑って挨拶してくれはる。
フレンドリーやで。
熟成庫には英国皇太子の所有樽がありまして、
それも熟成庫の出入口のすぐそばにデーンと。
へぇ、奥に隠してんのとちゃうんや。
「これ、皇太子の樽なのよん」
そないゆうておねーさん、
恐れ多くも殿下の樽をペンペーンの叩いてやがる。

普通、熟成庫に扉には鍵が2つ、ガッシリかけられてるそうなんですが、
理由は「税の対象だからなのよん」
1つは蒸留所が管理、もう1つは役人が管理してるんやそうです。
要するに、勝手に開けんなよ。
ところが、ここの扉、開いてんがな。
え〜と、今ここに居てんのは、私、おねーさん、以上。
なんで?

ひと通りの見学を終え、再びビジターセンターに戻ってくると、
お待ちかねの”お味見ターイム”。
「これ、今度の新製品よん」
そないゆうて出してくれはったのが”ベンロマック トラディショナル”。
ではさっそく…。
グビリ…。
え〜…、土。
土の味。
土は食べたことないですが、土の味。
なんともまずい…いや、個性的な味。
そやけど、このまずい…いや、個性的な味は、たまに無性に欲しなるかもしれん、まずい…いや、個性的な味。
それは初めて味噌煮込みうどんを食べたときの印象にそっくり。
名古屋の皆さん、すんません。
うぅ、あ…あかん、でも、2年に1回ぐらい食べたなるかもしれん…。
まさに”まずうまい”、そんな感じ。

この味に苦痛の表情で悶絶してると、なにを血迷ったかおねーさん、
「おかわり、する?」
なんでやねん。”快感で悶絶”と”苦痛で悶絶”はちゃうやろ。
天然なのかSなのか、ただただ、私の悶絶は続くのでした。

EMILIANO

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2011年06月10日

蘇格蘭日記-10


ネス湖から続くネス川の河口に広がる町、インヴァネス。
その日の午後、
私はテインからインヴァネスに向かってクルマを走らせていた。

不慣れな土地勘からか、道を1本間違えてしまい、
宿をとってあるネス湖東側の市内ではなく、西側の道に出てしまった。
幅の狭い、湖に沿ってずっと続いてる1本道。
Uターン出来そうな場所を探しながら、しばらく湖沿いを走らせていた。

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左に湖、右に木の生茂った林。こんな景色が30分ほど続いただろうか、
突如として林の中からドライブインのような所が現れた。
「ほぅ、少し休んでいくか。ついでに水も買っておこう」
木々に囲まれたロッジ風の店。
しかし、どこかおどろおどろしい風情を漂わせている。
クルマを止め、少しの緊張を伴いながら、私は店内に入ってみた。

店内は、飲み物やスナック類と共にネス湖に棲むと言われる伝説の怪獣”ネッシー”の人形も並んでいた。
おもむろにこの人形を手に取り、眺めてみる。
いつごろのものだろうか、壁には湖から姿を現すネッシーの写真や新聞記事が何枚も貼られている。
1枚1枚食い入るように凝視していると、背後に人の気配を感じた。
「もう随分と昔のもんですわよ」
「あの、すいません、ペットボトルの水をください。あと、この人形も」
私は手に持っていた人形を、店の主と思われるこのご婦人に差し出した。

「あなたも、ネッシーを見にきたの?」
「いや…、あっ、はい。会えればいいかなと」
つい、社交辞令なんぞ言ってしまったが、
子供のころにテレビの特別番組で見て以来、ネス湖とネッシーの伝説は知っていた。
しかし、である。もういいトシをしたオトナである。
平然と「ネッシーを見に来たの?」なんて言えるものなのか…?
私はひとつ尋ねてみた。
「あなたはネッシーを見たのですか?」
「あ、あたりまえじゃない」
「いつ?」
「……水と人形で…12ポンド50。まいどあり」
怪しい。何か隠してるのか?

何か腑に落ちない。もうちょっと湖沿いを走ってみるか…。
またしてもインヴァネスとは反対方向へと、私はクルマを走らせた。

ness2.JPG

10分ほど走ると、湖畔に廃墟となった城が見えてきた。
「あれはなんだろう…?」
私はクルマを止めて城に近づいてみた。
カメラを抱えた観光客に混じって、地元の人もいるようだ。
「あんた、どこから来たんだね?」
年配の男性が声をかけてきた。
「日本です。いい眺めですね」
「ああ、ワシはこうやって毎日ここまで散歩にきてるんだが、運が良ければネッシーが顔を出すんだよ」
またネッシーか。私はここでも尋ねてみた。
「おじいさん、あなたはいつネッシーを見たんですか?」
「……そろそろここも閉まる時間だ。宿はどこだ?インヴァネス方面ならあっちだぞ」
そう言って男性は去って行った。
怪しい。やはり何か隠している。

その日の晩、私はインヴァネス市内を飲み歩いていた。
ふと目に留まったイタリア国旗につられて、
このイタリア料理店に入った。
客はまばらで、私のほかにはカップルが2組だけ。
給仕の、10代後半かと思われる少年が注文を聞きに来た。
「トマトソースで何かパスタと、メインに…そう、羊の料理を。あと赤ワインをデカンタで」
「かしこまりました。ワインはすぐお持ちします」
ワインを注いでくれてる少年に私は尋ねた。
「君はイタリア人かい?」
「いえ、僕はここで生まれたスコットランド人ですが、オヤジはイタリア人ですよ。今ちょうどあなたのパスタを作ってます」
「そうかい。イタリア人の作るイタリア料理は久しぶりだ。ところで、君はネッシーを見たことあるのかい?」
「あっ…パスタ、出来上がったみたい」
そう言って少年は奥へと下がっていき、そして私のパスタを運ぶとまた奥へと下がってしまった。
いったいどうなってるんだ、この町は。

メインの羊のグリルを平らげ、私が席を立つ頃には、
もう店内には他の客はいなかった。
私は席に座ったまま少年に
「お勘定をしてくれ」
そう言って残ったワインを飲み干していると、
今度は少年ではなく、オヤジさんが私の傍へやって来た。
勘定書ではなく、古そうなウィスキーのボトルを持って。
「一杯やっていかんかね?」
そう言いながら、オヤジさんは少し大きめのグラスに注ぎだした。
「じゃぁ、遠慮なく」といいながらも、いきなり出されたウィスキーを前にキョトンとする私を尻目に、
「おい、看板しまいな」
そう少年に伝え、2ショット分ほど注がれたウィスキーをクィッと一気に飲み干し、ふぅと一息つくとオヤジさんは語り始めた。

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「こいつは、グレンモールだ。ネス湖の水を蒸留所まで引っ張ってきて造ってたんだ。オレがこの町に来たときにゃぁ、まだジャンジャンウィスキーを造ってたんだがなぁ。それが、もう随分と前にやめちまってな。今じゃぶっ壊してショッピングセンターだぜ」
その話は聞いたことがあった。
が、しかし私はそれまでグレンモールを飲んだことがなかったせいか、
単に時代の中で淘汰されていった工場の一つ、ぐらいにしか考えてなかったのだ。
「さぁ、遠慮するな。クイッといけ」
よし、じゃぁ付き合うか。腹を決めた私は、グラスの中身を一気に飲み干した。
ところが、ん…?なんの味だろうか…?
オヤジさんは続けた。
「こいつはなぁ、ネッシーの味がするんだ」
「ネッシーの味…ですか」
「ああ、ちょっと爬虫類っぽい味だ」
そういえば、なんとなくカエルが鳴くころの田んぼのような匂いがするような。
「オレがイタリアから来たころ、まだまだネス湖じゃネッシーを見たって話はそこらじゅうで聞けたもんだ。でな、この酒にもちゃんとネッシーの香りが漂ってたんだ」
さらにオヤジさんは続けた。
「ところがある年を境にネッシーを見たって話、とんと聞かなくなっちまってな。25年ほど前の話だ。丁度その頃に突然グレンモールも蒸留所を閉めちまいやがった。なんでかなと、そのときはわからなかった」
私が子供の頃に見たネッシーの特別番組と、時代はほぼ合っている。
そしてさらに
「あのときの蒸留所のボスは、ネス湖からネッシーが去ってったのが分かったんだろう。仕込みの段階で、あの独特の香りが無かったに違いねえんだ。それはオレも、グレンモール最後の年に蒸留したヤツを飲んだときに分かった。ネッシーの味がしねえ。こんなのグレンモールじゃねえ」

その夜、私はオヤジさんと語り明かした。
なぜイタリアからスコットランドに?、好きなクルマは?、フットボールは?他愛のない話が多かったが、その内容は今では覚えていない。
しかし、ここに住み着いたおかげで、町の人々のネッシーに対する愛情の深さを知ることが出来た、そう語る姿は忘れない。
昼間に出会った人たちもまた、今はネッシーが留守にしていることなど分かりきっているのだろう。
もしかして、家出したまま帰ってこない馬鹿息子のことを思う親の気持ちなのかもしれないが、
きっといつかまた、故郷のネス湖に帰ってくる。
そう信じてるのだろう。
町の人々にとって、ネッシーは伝説ではないのだ。

EMILIANO

この物語は登場人物以外はフィクションです。
ん…?ネッシーは登場人物?


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2011年06月09日

蘇格蘭日記-9


12月15日

昨日到着したときは暗かったんでわからんかったんですが、
”あじさい”さん、ほんまに普通の民家みたいな感じ。
日本にも新興住宅地にはこんな感じの家が建ってますけど、
1ヶ月ほどで建ってしまう”なんとかボード”つこてる家とは質感ちゃいますな。

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別になんの予定も立ててへんのですが、
まぁなんとなく昨日走ってきたA-9の続き走ってみたなりまして、
さらに北へと走るべくヴォグゾールに乗込む私。
時刻はようやく夜が明けた午前9時すぎ。
ドライブも2日目で、ちょっと心にゆとりが出てきまして、
ラウンドアバウトも一発クリア。
なんか…ドライブ楽しいやん。

church.JPG

インヴァネスは、北海からの入江沿いにある町でして、
この入江のあっちとこっちには橋が架かったぁる。
で、橋渡ったら”ブラックアイル”ゆわれるちっちゃい半島。
このあたり、畑が続くなかでポツンと教会らしきもんがあったりします。

blackisle.JPG

半島の根元あたりを突き抜けると
A-9はやや内陸側を走るんですが、
小1時間ほど走っていきなり視界に北海が広がるところ、
ここがテインゆう町。

tainnorthsea.JPG

ふと北海が見えたんでチラッと寄っただけの、
ほんまにちっちゃいちっちゃい町でしたけど、
町全体でクリスマスの飾りつけしてはりました。
せっかくやし誰かつかまえて話したろ。
「え〜と、このへんに蒸留所とかありますのん?」
「うん、あっち」

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確かにクルマで5分ほど走ればありました。
グレンモーレンジ蒸留所。
インヴァネスから1時間ちょっとぐらい。こんなとこにあったんや。
ほなまぁ、せっかく来たんやさかいズカズカとあがりこんだろかいな。

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えっらいまた綺麗な石造りの建物やん。
これはこれで童話に出てきそう。
で、敷地の横っちょには牛さんが。
大阪に住んでたら、なかなか真冬の緑にはお目にかかれん。

g.mor2.JPG

いきなりやけど、事務所みたいなとこ行ってスタッフらしきおばちゃんに
「見学できますのん?」
「あらま、いきなりねぇ。いきなりは女の娘に嫌がられるわよん」
別にこんなことはゆわれませんのでご心配なく。
実際はほんまに親切に案内してくれはりまして、
「他んとこは禁止してるとこもあるけど、
ウチはバチバチ写真撮ってもいいわよん」
「ほな遠慮なく」

実は昨日のエドラダワーも「写真撮るな」とはゆわれませんでしたけど、
私の英語力では神経すり減らすほど集中せんと何ゆうてはるのかわからんので、案内してもろてるときには写真どころやなかったんです。
が、しかし、このグレンモーレンジの案内してくださったおばちゃん、
わざわざ説明のあとに写真タイムをとってくれはった。
感謝します。ありがとう。

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ここの蒸留器はスコットランドで一番のノッポさんやそうで、
およそ5メートルあるんやとか。
まぁ別に…ふ〜ん、ぐらいにしか思わんかったんですが、

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こいつ。
こいつは蒸留されてきた液体…
モルトだけに麦焼酎みたいなもんですわな。
その液体はココを通って熟成に回すんやそうですが、
蒸留器から出てきた最初と最後は使わんと、
真ん中の「これや!」ってゆう部分だけ熟成にまわすための切替装置。
まさに”おいしいとこどり器”です。
で、よう見たら南京錠がかかってやがる。
「なんでと思う?」とおばちゃん。
「こっそりポットに入れて持って帰るヤツがおるとか…」
「そのとーり…いや…ちょっとちゃうかも」
彼女がゆうには、蒸留された時点で既に税の対象になるらしく、
スタッフが「へっへっへ〜。ちょっと味見」って感じでペロッとなめるのもアカンらしい。なるほど。

ひと通り見学させてもろたあと、
「売店があるから覗いて行けば?」
ほなせっかくなんで、寄っていきましょ。
色んなボトルが並んでましたが、私のチョイスはコイツ。

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グレンモーレンジベアー。
どっか行った記念品はクマちゃんと決めてる私。
グレンモーレンジにもあったとは。
「すんません、これ、つ…つつんで」
「おぉ、ベアー」ゆうてぶちゅぶちゅチューしだすおばちゃん。
あの、それ…オレが買うねんけど…。

時刻は午後1時。さて、どないしょ。

EMILIANO





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2011年06月08日

蘇格蘭日記-8


ピトロッホリーからインヴァネスへA-9を走ってると、
ほぼ並行して鉄道が走ってます。
ハイランド地方のど真ん中をぶった切るように縦断するわけでして、
左右にはそれなりにビューポイントがあるようです。
次は鉄道旅行やな。

 

インヴァネスに辿り着いたのは、
日もすっかり沈んだ午後4時半。
冬至が近いとはいえ、どっぷり日が暮れたインヴァネスの町が、
緯度の高いとこにあることを伺わせます。

mapSCOTLAND2.JPG

インヴァネスには日本人の女性が経営してはるB&Bがあるんやとか。
B&Bとはなんぞや?
別に漫才師でもなんでもあらへん、”ベッド&ブレイクファスト”のこと。
英国の宿のスタイルのひとつでして、
普通の家が、
子供も成長して出てったし子供部屋貸して小遣いでも稼ごかいなと始まったシステムらしい。
で、朝メシ食ってもろて送り出そかいなと。
まさにベッド&ブレイクファストでして、
部屋も清潔やし朝食も豪勢。
しょぼいホテル泊まるよりも快適やったりします。

で、なんかの本で読んだこの日本人経営のB&Bに連絡とれまして、
予約だけ入れさせてもろてたんです。
英語の苦手な私にはとってもありがたい宿。
地図見ながら教えてもろてた住所近くまで来ましたが、
町の中心からちょっとだけ外れた住宅街。
暗いし、みんなおんなじ家に見えんねんけど…どこやろ?
と、窓の外からバイオリンの練習してはる女性が見えまして、
どっから見てもジャパニーズ…たぶん。
ここのお宅に違いない。
おそるおそるピンポーン。

このB&B、”あじさい”さんいいまして、
日本人のアヤコさんと英国人のマイケルさんが経営してはります。
さっそく応接間に通してもろて、
紅茶をよばれました。
おぉ〜あったかい…。寒かってん…。

「君はなんの仕事してるんだね?」とマイケルさん。
「飲み屋ですけど」
「おぉ、飲み屋か。こないだニューヨークに行ったときに安かったから買ってきたぜ。ウッシッシ」
出してこられたシングルモルトはラフロイグ。
さすがスコットランド人。アメリカ行ってもスコッチかいな。
「いや、わしイングリッシュやで」
「……」
実際に英国内のウィスキーの値段はけっして安くはなく、
マイケルさんの気持ちも分かるわなぁ。

「ところで…どこから来たの?」とアヤコさん。
「”黄金の日々”の堺です」
これゆうてわかる人はだいたいトシわかりますな。
で、アヤコさんは…ナイショにしときます。
なんでも、堺にご友人がいてはるそうでして、
諏訪ノ森に住んでるんやとか。
インヴァネスで諏訪ノ森の話が出てくるとは思わんかった。
浜寺、諏訪ノ森近辺の方、
インヴァネスに行かれた際には”あじさい”さんをよろしゅう。

blackisle.JPG

さてと、お茶もよばれて暖もとったし、
ちょっくらパブめぐりでも。
マイケルさんにもらったビールのチラシ。
こいつはインヴァネスの地元ビールで”ブラックアイル”ゆうヤツ。
「市内のパブで飲めるぜ。行ってみな」
「よかったら、一緒にどないです?」
「ハッハッハ。パブなんざトイレ借りに入るだけだぜ」
なるほど、パブリックハウスやね。
ゆうことで、夜のインヴァネスをひとり飲み歩く私でした。

EMILIANO

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2011年06月07日

蘇格蘭日記-7


まわりは確かに山。でも山奥ってゆうほどでも。
そんなとこにあるエドラダワー蒸留所。
スコットランドで一番ちっちゃい蒸留所。
ほんまか嘘か、職人さんは3人しかおらんらしい。
で、さっそく敷地内に入ってみたわけですが…

edradour2.JPG

まるで童話やな。
で、私が主人公の旅人気分でズッカズッカと歩いていくと、
身なりのキチンとしたおばあさんが
「おひとり?」
「ええ。見学…できますか?」
ここで案内係やってはる女性らしく、
「じぁあこちらへいらっしゃいな」

edradour3.JPG

通されたのはビジターセンター。
「寒かったでしょう。まずはこれをお飲みなさい。ここで造ってるのよん」
おやまぁ、さっそくのテイスティング。
そやけど私、クルマやねんけど。
「じゃぁちょっとだけお飲みなさい」
ええんかいな。

このビジターセンターでテイスティングしながら
蒸留所のビデオ見せてもらうんですが、
彼女曰く「日本語版はないのよ」

見終わると敷地内を案内してくれるんですが、
蒸留所のこの雰囲気。
案内のおばあさんが物語の鍵を握る魔法使いに思えてしゃあない。

edradour4.JPG

「小川の水、さわってごらんなさい」
冷たっ。
「そう、蒸留器から出てきた気体はこの水で冷やすのよん。
そしたら…あ〜ら不思議。蒸留酒のできあがり」
と、魔法にかけられたように、つい聞き込んでしもてると、
なんやらビジターセンターから団体さんがドカドカと出てきはりました。
「あらまぁ、今日は団体さん。ちょっと待ってね」
この団体さんは別のおばさんが案内してはるようですが、
魔法使いはやりよる。
このおばさんにちょっと話して戻ってきました。
すると…
団体さん、敷地内の見学ポイントほぼ素通り。
一応チョロッと説明するみたいですが、ほぼ素通り。
で、私には 「さぁ、ゆっくり見学しましょう」
いったいどんな魔法かけてん?

実際、ほんまに細かいとこまで見学させてもらいまして、
そらもう、おなかいっぱい。
ここの蒸留器はスコットランドで最も小さい物らしく、
これより小さい物は法律で禁止やそうです。
密造酒の歴史を思い起こさせる事実ですが、
魔法使いのおばあさん 「みんな誇りを持って働いてますよ」

110607_0055~01.jpg

ひと通り案内してもろて、仕上げはショップでも覗いていこかな。
瓦せんべいとかサブレーはありませんが、
ウィスキーならあります。
せっかくやし、なんか1本もろて帰ろ。
「どれがええと思います?」
「私はこれがオススメ。今年の新作ですの」
ここでも魔法使いにゆわれたら、
きっと旨いにちがいない。
すると、どこからともなく現れたおっちゃん、
「オレはエドラダワーのマネージャーだぜ。ラベルにサインしてやるぜ」
普通、サインするほうからはあんまりゆわへん事やと思うんですが…。
「じゃ、じゃぁお願いします」
かなり嬉しそうにサインしてましたな、このおっちゃん…いや、マネージャー。

edradour5.JPG

買おたボトルを大事に抱えてヴォグゾールに乗込んだ私。
さてと、またA-9に戻ってインヴァネスへ急がねば。
地図上ではピトロッホリーは真ん中ぐらい。
すでに午後2時半。
明るいうちに着くんやろか…?

EMILIANO
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2011年06月06日

蘇格蘭日記-6

Image0002.JPG

A-9線からそれた道は
そのまんまピトロッホリーの目抜き通りへと続きます。
通りの端から端まで、クルマやったら5分とかからんぐらいの、
ほんまにちっちゃい町ですが、
ちゃ〜んと鉄道の駅があったりします。
エジンバラからインヴァネスに向かう鉄道の途中駅でして、
列車でちんたら揺られて旅すんのもええかもしれません。

pitlochryst..JPG

駅横の駐車場にクルマ止めて、
ちょっとだけ散歩。
すると、可愛らしい感じのティーショップがあったんで、
顔に似合わず「すんません、紅茶一杯くださいな」

アッツアツのマフィンと一緒に出された紅茶は…
う〜ん、あったまるぅ〜。
マダムと思しきおばさまにちょいと尋ねごとを。
「エドラダワー蒸留所って、どない行けばよろしいの?」
「町のはずれのまだむこう。テクテク歩いては無理ですわよん」
ご親切にありがとう。クルマやさかい、大丈夫でっせ。
ついでにポンド札に両替できるとこも教えてもらいまして、
「"CHANGE"の表示のある郵便局やったらオッケーよん」とのこと。
さっそく町内の郵便局で両替してもらいました。
「わぉ、”円”ですね。ちょっとお待ち」
円は珍しいんかいな。でもちゃ〜んとポンドに替えてもらえました…
が、なんと、ポンド紙幣がちょっとちゃう。
"BANK OF ENGLAND"って書いたある手持ちのポンド札とちごて、
"BANK OF SCOTLAND"て書いたあるやん。
「イングランドでは使えんから気ぃつけてよねん」
あらまぁ、スコットランドポンドですかい。
価値は英国ポンドと一緒やそうで、スコットランド内で使えるんやとか。
もちろん英国ポンドもスコットランドでフツーに使えます。

お腹も財布もハラ一杯になったことやし、
町のはずれのまだ向こうにあるっちゅうエドラダワーまで行くべく、
ヴォグゾールに乗込む私。
目抜き通りの真ん中あたりに”エドラダワーこっち”の表示あり。
ハンドルを切って、ちょっとした山道を抜け、さらに地道をもう少し。

edradour1.JPG

目の前にデーンと現れた看板には、
確かに"EDRADOUR"と書いたある。
そこそこ広い駐車場には、ぽつりぽつりと何台か止まってるだけ。
端っこの方にちょこんと止めて、
とりあえず誰かスタッフに声かけるべく、
ヴォグゾールを離れる私でした。

EMILIANO


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2011年06月05日

蘇格蘭日記-5

edinburgh01.JPG

12月14日

朝は7時にはお目覚めです。
いよいよスコットランド。
とはいえ、7時を過ぎても一向に明るくならず、
お日さんが出てくる気配もなし。
はっきりゆうて、夜です。

このホテルとはこの朝でお別れして、
今日からレンタカーでドライブ。
とりあえず北に向かい、
夕方までにインヴァネスゆう町にたどり着きたいと。
で、夜も明けやらぬエジンバラの町を、
散歩がてらプラプラしながらレンタカー屋さんまで行きましょう。

ホテル近くのウェイバリー駅そばに
"HERTZ"レンタカーがあるそうですが、
あえて私は町外れに近い"AVIS"レンタカーで予約。
散歩すんのに丁度ええわと思ったから…ではなく、
"HERTZ"があるのん知らんかっただけ。
う〜っ…ちょっとショック。

小1時間ほど歩いて時刻は8時過ぎ。
てくてく歩いても一向に明るくならんうちにレンタカー屋さん発見。
そして"AVIS"が私に貸してくれたマシンは

vauxhall.JPG

"VAUXHALL CORSA"
ディフェンダーとはちょっとちゃいますな。
ドイツではオペルゆうヤツです。
ドイツのオペルが英国にやってきたら
ヴォグゾールゆう名前に変わりやがる。
ヴォグゾール…かっこええがな、名前が。

午前9時。
すでにエジンバラの町は夜が明けて活気が出始めてました。

エジンバラ市街を抜け、一路北へとクルマを走らせます。
市街地では、まぁまぁ日本と交通ルールは似てますが、
郊外に出るとさっそく現れやがるのが”ラウンドアバウト”ゆうロータリー。
要は交差点やら分岐点に信号置かんとロータリー造ってしもて、
どの道から来ても「あっ、前方に交差点発見」となると、
このロータリーをグルンと通過してから先に進まなあかんシステム。
一応ロータリーの中のクルマ優先らしい。
私のラウンドアバウト初体験は、唐突にやってきました。
唐突な初体験は、心の準備ができてません。
…あ、あ、あの…入ったはええけど…出てしもた…。
いやいや、
…あ、あ、あの…入ったはええけど、出られへん…。

とはいえ、経験積めばだれでも上手くなるっちゅうのは何でも同じ。
ラウンドアバウトも回数重ねたらチョイチョイっと入ってスッと出れる。
大抵は1キロほど手前に表示出てるんで、そいつでチラっと方向確認。
入ってしもたら”インヴァネスこっち”の方へ出ればよし。
出そびれたらもう1回グルンと周ったらよろし。
うん、快適快適。

edb-ptl.JPG

エジンバラ郊外からM90号線を走ってA9号線へ。
午前11時にはピトロッホリーゆう町の近郊。
ちょっと寄りたいとこがありまして、
A9からそれてヴォグゾールはピトロッホリーの、
ちっちゃいちっちゃい町中へ。

EMILIANO

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2011年06月04日

蘇格蘭日記-4


ロンドン、ヒースロー空港を飛び立ったヒコーキは、
およそ1時間でスコットランドのエジンバラに到着。

エジンバラ、午後7時すぎ。
伊丹で預けた荷物と24時間ぶりぐらいに再会しまして、
おぉ、ようここまで辿りついたなぁと、
愛用の旅行カバンを労う私。
ってゆうのも、ヒースローなんちゅうのは今も昔も
ロストバゲッジが多いことで有名やそうでして、
ここエジンバラで、あの、ベルトコンベアの親分みたいなヤツにちょこんと乗った私のカバンを見つけたときは、
おっ、英国人もやればできるやん。

flag01.JPG

到着ロビーに出てきて、え〜と、市内行きのバス乗場はと…。
ふと、視線はロビーのベンチへ。
腰掛けてはるお父さんと小学生ぐらいのボク。
結婚式でもあったんやろか、かっこええがな。
親子おそろいで蝶ネクタイにタキシード。
で、この親子、ズボンやのおてキルト穿いてはりました。

スコットランドの男性は、ほんまにキルト穿いてるんやろか?
少なくとも、正装として着用することはあるみたい。
そやけど、キルトの下はなんか穿いてんやろか…?
昔みた”ブレイブハート”ゆう映画ではなんも穿いてへんかったけど。

   

まぁそんなことはさておき、
バスに乗って市内まで行かな。
空港からのバスの終点は、
エジンバラの中央駅的な存在のウェイバリー駅の横。
この日の宿は、そこから徒歩圏内の安宿をおさえてました。
バスの運ちゃんに宿のある通りはどの辺か教えてもろて、
「サンキュー」

10分ほど歩いて、え〜っと、ここや。
まぁまぁ、ビジネスホテルとラブホテルの中間って感じの外観。
でも建物自体は古そう。
「すんません、予約してましてんけど…」
「ハイハーイ、これ鍵ねー」
愛想のええ、ちょっとポッチャリ系のおねーちゃん、
気分よう手続きしてくれました。

荷物をおいて、初スコットランド。
まだ9時前。早速飲みに行くか。
ってことで、再びロビーまで降りてって、
「すんません、このへんにパブあります?」
さっきのフロントのおねーちゃん、
タバコぷか〜ってしながら
「あーるある。この前の通りはパブだらけよん」
今までいろんなホテルに泊まりましたが、
従業員がフロントでタバコ吸うてんの見たのは、
後にも先にもこのときだけ。
やりよんな、このねーちゃん。

で、教えてもろたとおり、前の通り歩いて行くと、
あるある。
それこそ石投げたら当たるくらいパブだらけ。
どこでもええから試しに入ってみよ。
古めかしい木の扉をギィっとあけたら、
そこは老人たちが数人、ちびりちびり呑ってまして、
「まぁ、こっちに来なさい」

中年の店主と思しき男性が
「なんにする?」
「エール飲みたいんやけど」
「うちのはほんまもんのエールだぜ、どれでも好きなもん言いな」
ズラリと並んだハンドポンプのレバー。
こいつをシュコーっと手前に引くと、
地下からビールが汲み上げられるシステム。
「こんなにあったら迷うやん」
「じゃぁオレに任せな」
彼が選んでくれたのは、クリスマス限定のエール。
スコットランドに限らず、英国ではクリスマスシーズンに特別に醸造したエールを出すメーカーが少なくないそうで、
この店もそんなエールを提供してるんやそうです。

客層は年配の方が多いようで、店内も静かなもん。
私も静かに、ちびりちびり飲みながら店内をキョロキョロ。
へぇ〜、これがパブかぁ。
と、ここで急激に睡魔が。
早速の時差ボケなんか、睡眠薬入りのビールなんかわかりませんが、
キョーレツな睡魔が。
「アカン、眠いから帰る」
「じゃぁオレからのプレゼントだぜ。また来いよ」
店主がさりげなくくれたのはコースター。こおゆうの、嬉しいですな。
が、しかし、この図柄は一体…

corster01.JPG

はよ寝えよってことかぃ。

EMILIANO
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2011年06月03日

蘇格蘭日記-3



どんだけ寝んねん。
それぐらい寝たあと、ムクッとお目覚めの私。
機内のモニターの地図には”モスクワ”とか”サンクトペテルブルグ”とか。
おぉ、寝てるあいだにヨーロッパ。
もう着いた気分です。

それからしばらくして、
「当機はまもなくロンドン…」
客室乗務員のおねーさんチェックも忘れて寝てしもてたのが残念なほど
お美しい声。
ちょっと後悔。

EGLLAerodromeChart_S.jpg

ロンドン ヒースロー空港。
世界有数の大空港。
この当時でターミナルは4つありまして、
日本からの便は第3ターミナル発着。
乗り継ぐ英国内線は第1ターミナル。
で、伊丹でANAのおねーさんに教わったとおり、
乗継便のチェックインせなアカンわけです。

このデカい空港、
乗継業務専用の"Flight Connections"なる建物がありまして、
乗り継ぐ人は案内板通りに進めば、
ここを通過するようにできてる模様。
デカいわりに分かりやすいシステムかも。
ここの英国航空のカウンターでチェックインの手続きして、
搭乗券をもらいます。
「え〜と、チェックインお願いします」
「オッケー。わぉ、エジンバラね。いいとこよん」
期待が膨らむ私。
しかもこのおねーちゃんがキンパツのいかにも英国人。
おまけにそのキンパツを後ろで束ねてうなじ丸見えで、
客のハートを鷲づかみ。さすが英国航空、やりよる。
「じゃ、そこで入国審査すませて第1ターミナルに向かってねー」

げっ、入国審査。
悪名高き英国の入国審査。
かなり厳しくて陰湿で横柄でと、なんらええ話を聞いたこと無い、
英国の入国審査。
恐るおそる「は、はろー」
う〜ん、噂によると陰険そうな係員ってことやったけど、
こいつ…ってゆうよりこの娘って感じの鼻ピアスのおねーちゃん。
で、このねーちゃんが審査ゲートの横に立ってる警備のおにーちゃんとペチャクチャペチャクチャ喋ってやがる。
「だからぁ、はろーってゆうてるやろが」
「おー、いえすぷりーず」
おねーちゃんは可愛らしいんやけど、
このにーちゃんがボブサップみたいなヤツでして、
ギロリと睨みつけたその目は「邪魔しやがって」
そないゆうてるに違いない。
悪名高き入国審査て、これやったんか?

そやけど、この”鼻ピー”ねーちゃんがなかなかええ娘でして、
「審査ね。え〜と、入国の目的は?」
「え〜…」
「休暇でしょ?」
「そう、休暇。観光」
「期間は?1週間?」
「そう、1週間」
「どこまで行くの?搭乗券みせて」
「はい、これ」
「エジンバラね。いいとこよん。アタシの後ろの通路まっすぐ行けば第1ターミナルよん」
「あ、あ、あ…どーも」
「はい、審査終了。バーイ」
えっ…? これでええの?
ってゆうか、オレ、なんも答えてないし。

airportpub.JPG

晴れて英国への入国を果たした私。
時刻は16時過ぎ。
エジンバラ行きは18:10。
こら早速英国ビールやな。
ターミナル内のパブ見つけて
「ビールちょーだい」
とびっきりの笑顔で迎えてくれたおねーさん、
「どのビールにする?」
「え〜と…こいつ。JOHN SMITH
「これ…ビターエールよ。いいの?」
「英国っちゅうたらエール。いっとこ」
「サイズは?」
「オトコは黙って1パイント」
シュコーっと注いでもろたビターエールの、
微かに漂う甘い香りがたまらんのです。
「ところでおにーさん、珍しいね。エール飲む日本人なんて」
「そう?けっこう好きやけどね」
なんで日本人てわかんねん?

それはさておき、
彼女の経験では日本人はやっぱりラガーを好んで飲むんやとか。
日本の地ビール屋さんは、ほとんどがエール造ってはりますが、
やっぱりまだまだマニアックな世界なんですかね。
出発までの約2時間、ちょっとしたビール談義でした。

EMILIANO
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2011年06月02日

蘇格蘭日記-2

uk-map.jpg

出発は12月13日に決まったもんの、
いよいよ1週間前になっても、な〜んのプランも考えてなかった私。
そろそろマジメに考えなあかんわと。

そこでスコットランドについて、
ず〜っと疑問に思ってた3つの事を確かめてみよかと。
こいつを旅のテーマにしようと思ったのでした。

1つ目は…スコットランド人の男性は、ほんまにキルト(スカートみたいなやつ)穿いてるんやろか?

2つ目は…スコットランドのネス湖には、ほんまにネッシーがいてるんやろか?

3つ目は…ウィスキーの蒸留所は、人里離れた山奥にあるって聞いたことあるんやけど、ほんまなんやろか?

飲み屋のおっちゃん的には、3つ目のテーマぐらいしか
仕事に関係あらへんのですが、
謎の解明ゆうことで気分は川口探検隊。
ここまで決まればノリノリです。
まずは現地のアシを確保せな。
探検隊ゆうたら4WD。
ランドローバーのディフェンダーあたりがお似合いですが、
フライングスコット探検隊は低予算隊なもんでして、
エコノミークラスのクルマで気分だけディフェンダー。
さっそくレンタカーの予約を入れました。


12月13日

前夜の仕事が終わって、
始発で伊丹空港まで。
朝の伊丹はごった返してますな。
が、しかし、成田で国際線に乗り継ぐ人専用のカウンターがありまして、
ここはまだガラッガラ。
「すんません、ロンドンまで…なんやけど」
「はいはーい。お預かりしまーす」
朝から飛びっきりの笑顔は気持ちええんですが
「いや、あの…実はロンドンでブリティッシュエアに乗り継ぐんですけど」
「英国航空さんですねー。チケット拝見できますかぁー」
この爽やかさはどっからくるんやろ。ピンポンパンみたい。
「えーとですねぇー、
ANA便でロンドンまではここでチェックインしますけどぉー、
ロンドンで英国航空さんのカウンターで再度チェックインしてくださーい。
た・だ・し…お荷物は今ここでエジンバラまでお預かりしまーす」
更に”うふっ”…とか”えへっ”とかゆうてくれてたら、
今後はずっと全日空やで。

まぁ無事に成田でロンドン行きに乗ることができまして、
この時点でお昼前。
夜勤明けゆうこともあって、
離陸したころにはフッと意識がなくなりました。

EMILIANO
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2011年06月01日

蘇格蘭日記-1

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すべては1通のEメールから始まったんです。

2004年秋のある日、
普段は”貧乳”サイトやら”ちっぱい”サイトやら…
”貧乳天国ぺったん娘”なんちゅうのもありましたっけ。
まぁ、あんなサイトやらこんなサイトやらからのDMぐらいしか
私のパソコンにはやって来ませんでしたが、
この日はどおゆうわけか"ANA"なる送信者。
ANA…穴?

なんちゅうことあらへん、ようは
「貯まったマイルの期限切れが近づいてまっせ」ってゆうお知らせ。
そおいえばマイル貯めとったなぁ。
お買物中毒な私は、
お友達であるVISAカードくんとしょっちゅうつるんでまして、
貯まったポイントはマイルへGO。
欧州やら北米までの往復切符まで、
もうあとちょっとってゆうとこまで貯まってたらしい。
欧州…英国…本場のパブに行きたいなぁ…。

そこで早速ANAさんに電話。
「はーい、ANAですわよん。うふっ」
なんとまぁお美しい声。きっときれいな人に違いない。
実際には「よん」とか「うふっ」とかゆえへんねんけど、
電話のあっちとこっちで想像ふくらます私。
きっときれいな人に違いない。

さておき、
対応してくれはったこの女性、ほんまに親切な人でして、
英国まで行きたいねんけどマイルが足らん。しかも期限切れ間近。
どないしたらええのんか?
こういった質問にも丁寧に答えてくれはった。
「貯まったマイルでANAのクーポン券にも交換できますわよん」
ほほぅ、なんとそのような手が。
で、なんぼほどになりますねん?
「6万円ぶん…あらステキ。今なら追い金3万円ほどでロンドンまでひとっ飛びよん」
こらまた魅力的なオファー。
聞けば12月の前半は航空券が底値になるらしく、
チケットと税金等でおよそ9万円で日本とロンドン往復できるらしい。
そら行っとかなアカンやろってわけで、その場で予約。
あっちゃ〜…予約してもおたで。
「いやん、オ・ト・コ・マ・エ。うふっ」とはゆうてくれませんでしたが、
まるで悪魔のような天使の声でした。

私が予約したのは
12月13日成田発のロンドン行きと
12月20日ロンドン発の成田行き。
伊丹と成田の往復チケット付き。
これで英国までは行けると。
さて、そのあとどないしょ。
ビール屋としてはイングランドでビール三昧もええけど、
スコッチ屋でもあるしなぁ。
スコットランドまで行ってみるかいな。
期間はおよそ1週間。
プチ鉄ちゃんの私的には列車でスコットランドまで行きたかったけども、
ロンドンからは4時間半ほどかかるらしい。
しかも英国の鉄道って
日本のJRが良心的に思えるぐらい料金が高いんやとか。
ほなヒコーキはどないなんやろ?
どのみちロンドンの空港に着くんやさかい、そのまんま乗継とか…。

この日2度目の電話はブリティッシュエアの東京支店。
「はーい、ブリティッシュエアよん。ゴキゲンいかが?」
そんなことゆうてくれるわけもなく、
フツーに「英国航空です」
「あの〜、英国内のチケットって今この電話で買えますのん?」
「はい」
愛想あらへんなぁ。
「たとえば…12月13日のANAでロンドン着いてエジンバラ行きに乗り継ぎたいねんけど。あと帰りは20日で逆ルート」
「各種チケットありますよ。ANAさんから乗継げる便で、最安値なら往復12,220円」
ほぅ、そらええがな。
「ヒースロー空港使用なんで税金等が高いんですが、チケット代金自体は往復5,000円ほど。安いでしょ」
あらまぁ、東京大阪間でも片道その倍でっせ。
「ただし安いだけに、予約の変更、キャンセルはできないんですよね」
まぁ、その条件でええか。「ほな予約、決済おねがいします」

そんなこんなでヒコーキは確保。
あとは…なりゆきまかせでええか。
それはそうと…店、休めんのかぁ?

EMILIANO
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2011年02月23日

伊太利亜日記-19


2月18日

今日で今回の旅行はおしまい…
いや、家に帰り着くまでが旅行やと思えば、
まだまだ旅の途中…
などと、小学校の遠足のときに先生にゆわれた言葉を思い出しつつ、
荷物をまとめる私。

ヒコーキは13時発の大阪行き。
今は8時すぎ。
ここはイタリアやし、予約取消されてたらあかんし、
ダブルブッキングなんか十分ありえる話やしなぁ…
13時発やし、国際線は2時間前からチェックインできるさかい、
11時には着いとかなあかんなぁ…
はよ準備しとこ。
日本人の私やったらこんなこと考えてしまってるとこでしょうが、
不思議なことに、
イタリア人のええかげんな時間の感覚が染み付いたようでして、
途中の交通機関の遅れやらストやら、
横断歩道よう渡らんおばあちゃん助けたったり、
隣に座った妊婦さんが急に産気づいたり、
あんなこととかこんなこととか、起こりうることな〜んも考えんと、
まっ、ええか。
間にあわんかったら…そのとき考えよ。
だいぶ図太くなってやがる。

と、ゆうわけで、バールにでも行ってみよ。
「Un caffe」
言いなれた言葉。
どこ行っても「ウン カフェ」「ウン カフェ」「ウン カフェ」
たいていのバールには、
カウンター…バンコのスタッフ以外に、
デーンと構えたレジ番がいてはります。
オーナーさんか店長か、かなりオレ様か女王様。
ここで例の「ウン カフェ」
要はここで先に代金支払い。
ほなレシートくれるんで、そいつをもってバンコまで。
バリスタさんにレシート見せて、も一回「ウン カフェ」
すると、ほどなく香り高いエスプレッソがジャ〜ンと登場します。
で、カプチーノが飲みたければ、
カフェのところをカプチーノに変えればよろしい。
うん、カンタン。

maggiorecaffe.JPG

よく観察すると…
バンコで飲んでる人たち、
まぁ素早く飲んで立ち去るんですが、
わりと多くの人が小銭をソーサーの上に置いて出て行きはる。
チップ…?
実際そのようでして、
バリスタさん、バンコの向こう側に置いたぁるでっかいビンにチャリンチャリンと入れてはる。
”角瓶”の特大サイズ並みのビンに、もう既に1/3ぐらい貯まってやがる。
まだ朝やで。よう稼ぎよる。

フラ〜っと散歩して帰ったら、10時半。
ええ感じや。
そそくさとチェックアウト…フロントのおねーちゃん、可愛らしいがな。
とびっきりの笑顔で「Thank you sir. Bye!」
”サー”やて、照れるやん。
しかもジャンケン”パー”で手ぇ振ってくれよる。
ええホテルです。

空港へは、ミラノ中央駅の横っちょからバスが出てるらしい。
で、その横っちょに行ってみたら、
すでに空港行きのバスが何台かデンデンデンと並んで発車待ち。
運転手さんらしきおっちゃん、
タバコぷか〜っと吸うてはるとこすんませんが
「切符はどこで買えますの?」
「あ〜、そこの事務所で買えるで」
「あそこね、どーもありがとう」
「あ〜、オレからも買えるで」
先ゆえっちゅうねん。
しかもタバコをポイ。
ポイって、あんたポイって。
イタリアはタバコの広告禁止の国やったと思うんですが、
喫煙マナーはよろしくないようですな。
どの町も旧市街は石畳が多いんですが、
石畳の溝ってゆうか隙間ってゆうか、吸殻だらけ。
毛皮のコート着たおねーちゃんが、
ぷか〜ってタバコ吸うて火ぃ点いたまんまポイ。
ポイってあんた、そらアカンやろ。
ええかげんなヤツらです。

バスは11時ごろ、マルペンサ空港に向けて出発しました。
通常は約1時間で着くようですが、渋滞もけっこうあるらしい。
う〜ん…乗り遅れたら、まぁもう何日かおったらええかと、
ひらきなおる私。
だいぶ図太くなってやがる。

ひらきなおってるときに限って、万事うまいこといくもんでして、
12時には空港到着。すかさずチェックイン。
「早めに搭乗口まで来といてね、うふっ」
これまた可愛らしいカウンターのおねーちゃん。
アリタリア、サイコーです。

13時、定刻通りに離陸するMD-11。
下に見えるアルプスの山々。
この向こうはスイスかなぁ…。

かけ足で巡ったイタリアの各都市。
ローマのナボーナ広場。
アコーデオン弾いてたオヤジさん、今日もやってんかなぁ?
フィレンツェの果物屋のおばちゃん、元気かなぁ?
ベネチアで会ったフランス人の女の子ら、もうフランスに帰ったやろか?
ジェノヴァのバスの運ちゃん、あいかわらずまくし立ててんやろなぁ。
強持てやったけど気の優しいバリスタさん、
あんたのスーパーカプチーノは美味かったよ。
トリノのベッドメイクのおばあちゃん、ちゃんとお茶してくれたやろか?


インターネットなど、まだ今ほど普及してないころ。
情報は本や雑誌、あとは人から聞いた口コミしかなかったわけで、
イタリアゆうたら、
やれスリやら置き引きやら、治安悪いとかゆわれてましたし、
ええ腕時計してたら手首ごとスパッと切られて持ってかれるとまで聞いたことありますもん。
どんなとこやねん?
少なくとも、私が行った町では
”あっ、この先は行ったらあかんな”ってゆう感覚さえしっかりしてたら
噂に聞くほど治安も悪ないし、快適に過ごせると思う。
そんなもんは日本でも、この先ヤバそうゆうとこなんかあるわけやし。

イタリア人は”ええかげん”ってゆうのもよう聞く噂でして、
几帳面なA型気質の私には取っつきにくいかも…
それも噂は単なる噂でして、日本人にもええかげんなヤツはいてるし。
彼らはたいていはマジメで誠実。ええ人たちでした。
ただ、ちょっと楽天的なとこはあるかもしれんけど…。

いろいろ書き留めた手帳をパラパラ読み返しながら、
そんなこと思い出してたら、またいつか来よう…。
実際に、その後何度も行くことになるイタリア。
そのきっかけになったのは、
このときに出会った人たちの誠実さやったと思います。

日本まではおよそ12時間。
またロシアの上空って長いんやろなぁ。
映画でも観よかな。
え〜と、ヘッドホンが…あらへんがな。
「すんません、ヘッドホンくださいな」
「ごめんごめん、積み忘れてん。全員あらへんから諦めて」

やっぱりイタリア人ってええかげんやん。


伊太利亜日記-完

EMILIANO



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2011年02月18日

伊太利亜日記-18


2月17日

明日はいよいよ帰国便に乗る日。
一日たっぷり使えんのは今日だけ。
さみしい気もしますが、
無職…いや、無所属とはいえ、まっとうな社会人としては、
そろそろ仕事せなアカンのとちゃうやろか…?
妙なプレッシャーも感じ始めてたころでして…
ってゆうのは建前で、ほんまはご飯と味噌汁食いたいなぁと。

とはいえ、せっかくのミラノです。
でっかい街ですが、
ここは行っとかなあかんやろってとこだけは行ってみよ。

milan-map-big.jpg

中央駅そばのホテルから地下鉄で市内中心部まで…
たいていのガイドブックにはそないなこと書いてるらしい。
せっかくのミラノの空気味わうんやったら、歩いたろ。

で、とぼとぼ歩き出すんですが、時刻は午前10時。
商店とかが開きだしまして、きょろきょろ見ながら散歩気分。
ジェラート屋さん発見。
どおゆうわけか、店員のおねーちゃんと目が合いまして、
その瞳が「こおて…うふっ」
しゃーないなぁ、1コもろとこか。
「きゃーお兄さん、サービスするわよん」
実際には”うふっ”も”わよん”もゆうてくれませんが、
飛びっきりの笑顔とキラッキラの瞳はもれなくサービス。
「ほなレモンのシャーベットを」
「ソルベね、うふっ」
こっちではソルベゆうらしい。
おねーちゃん、シャベルの子分みたいなヤツでガリガリガリ。
「…ごめーん、まだちょっと硬〜いの。他のじゃダメ?」
「ええがなええがな、苦しゅうない」
恐るべし飛びっきりの笑顔とキラッキラの笑顔。
結局ソルベはカッチンコッチンで売りもんにならず、
普通にジェラートを。
先は長い。ペロペロしながら歩きましょう。

ちんたらちんたら歩いてたら、お昼前には中心部にたどり着きます。
オペラの殿堂”スカラ座”。
私はスカラ座ゆうたら映画館しか知りません。
ほんまもんはこんなとこにあったんですな。
しかも映画館やのおて、オペラやらバレエやらをやるらしい。
が、しかし、ヂャケットのあらへん私はスルー。
スカラ座からふと前をみたら、商店街らしきもんが。
行ってみよ。

v.e.2.JPG

ただの商店街と思ったこのアーケード。
旅行番組とか雑誌とかで見たことのある
”ヴィットリオ エマニュエーレUのアーケード”。
堺東の”銀座商店街”とは、ちょっと違います。
なにがちゃうかていいますと、
いきなり”ボルサリーノ”の帽子屋さんがあります。
堺東やったら南海ホークスの帽子売ってそうですが、
ボルサリーノゆうたら、ジャンポール ベルモントやらアラン ドロンです。
ちょっと違います。
カフェも軒つらねてますが、
う〜ん…客もスタッフも白人。
しかも客は毛皮着てはるし。
みなさんお顔もリッチそうです。
なのでリッチやあらへん私はここでもスルー。
アーケードを抜けるとデッカイ広場が。

duomo1.JPG

ミラノの大聖堂、”ドゥオーモ”。
人もウジャウジャいてはります。
さすがミラノの中心部。
ミラノに来た人は、
ここだけは絶対行っとかなアカンみたいな観光ポイントらしい。
ほほぅ。確かに立派な建もんです。
尖塔の先っちょ、望遠レンズでみたら人が立ってはる…。
まぁ、聖人の彫刻なんですが、あんな高いとこで彫ったんやろか?
想像するだけでチビりそうです。

duomo2.JPG

しばらくドゥオーモ前の広場でのんびりしてましたが、
それにしても人が多すぎて酔いそう。
ぼっちら場所かえよかと歩き出す私。
すると、前方にジプシーの集団が。
ジプシーの方々、私は特になんの感情も抱いてませんし、
むしろ、あの独特の民族衣装には興味あるくらいです。
でもここイタリア、あるいは欧州の他国でも彼らは差別の対象のよう。
詳しい経緯も知らんので、
私は彼らに対してあんまり悪い感情はないんですが、
スリやら詐欺やら物乞いやら、あんまりええ話は聞きませんな。
そんな彼らが集団で私の方に向かって歩いてきはる。
ちょっと緊張。
囲まれたらどないしょ…。
スられたってゆう話も身近で聞いたことあったしなぁ…。
と、あーだこーだ考えてるうちに、どんどん近づいてきやがった。
ここは度胸決めて集団に向かって突っ込んでったれ。
で、ツカツカツカと彼らに向かって歩いてく私。
あ〜、ぶつかるわ…と思った瞬間、
集団がパカっと二つに割れて、私を避けるように左右に広がり、
私の後ろでまた一つの集団に。
ジプシーに避けられた私って…なに?

c.s.JPG

スフォルツェスコ城。
ドゥオーモから歩いて30分ほどか。
まわりには緑もあるよと聞いたんで、
フラッと行ってみました。
この城がどんなもんなんかは知りません。
人もそれなりにおったさかい、有名な城になんでしょう。
それはまた勉強することにして、
私が気に入ったのはまわりを囲む緑。
芝生がキチンと整備されてまして、散歩にはバッチリ。
実際この日は2月といえど、気温も日差しも春そのもんでして、
ベンチでくつろぐお年寄りや、
子供連れの若夫婦が楽しんではりました。

110218_1516~01.jpg

結局ミラノ最後の日やのに、陽ぃ暮れるまでここでのんびりした私。
ひとつだけ出てた、おじいさんがやってはる露店で地図を買いました。
布製の、マンガっぽいやつやけど、気に入った。
「あいよ、10000リラ」
500円ほどかな。
「おまえさん、休暇かい?」
「まあな、明日帰んねん」
その現実にため息。
帰ったら就職活動やら退職の手続きやらなんやらかんやら。
憂鬱やなぁ…。
その表情、察したんかなぁ。
「なにがあったか知らんが、あの空を見てみぃ。
あの空の大きさに比べたら、おまえさんの悩みなんかちっぽけなもんやないか」
なるほど。
ようわからんけど、元気出せゆうことやな。
じいさん、ありがとう。いつかまたミラノの空見に来るわな。

EMILIANO





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2011年02月16日

伊太利亜日記-17


2月16日

ここミラノから日帰りで行ける地方都市っていくつかあるようでして、
コモ湖のコモ、
ヴァイオリンのクレモナ、
ロミオとジュリエットのヴェローナなどなどなど。
せっかくやしどっか行ってみよと思って私がチョイスした町がベルガモ
なぜなら聞いたことない町やったから。
しかも列車で数十分で行けるらしい。

ミラノ中央駅を背にして真ん前に"CAMPARI"の看板がデーン。
イタリアですな。
さらに右手に"Mcdonalds"がデーン。
アメリカやん。ここにもあったんや。
まぁええわ。はよ行こ。

私が乗ったのはローカル線。鈍行ですな。
ガタゴトゆられて走ります。
こんなローカルな列車にもちゃ〜んと車掌さんが検札に来はる。
イタリアの駅には改札ゆうもんがあらへんので、
切符持ってなくてもとりあえずは乗れます。
近場であろうが長距離であろうが、とりあえずは乗れます。
そのまま車掌さんが来んかったらタダ乗り。
車掌さんが検札に来たら切符買わされるんですが、
罰金のオマケ付き。
で、大抵は検札に来よる。
イタリア人は働かんってゆう噂は嘘なんちゃう?
そう思えるほど車掌さんは実に仕事熱心です。

途中でどんどんお客さんが乗ってきてはドッカと座り、出発進行。
動き出してはそのたんびに乗ってきた人だけ検札。
さっき検札した人はバッチリ憶えてはんねんな。
さすがプロ。

ほどなくベルガモ駅に到着。
この町、駅のある新市街を”バッサ”
旧市街を”アルタ”ゆうらしい。
低地にあるのが新市街で高台が旧市街。
声楽のアルトとバスみたいなもん?
で、駅からアルタ方面に行くバスがあるらしいけど、
あえて歩いてみよ。

bergamobassa.JPG

地方都市にありそうな、普通の町ですな。
クルマもようさん走ってるし、
新興住宅地みたいな感じかな。
駅からの大通りを道なりにしばらく歩くと、
やがて右カーブが。
と、突然ケーブルカーの乗り場が現れよった。
ほぉ、こいつが高台の旧市街”アルタ”に行くやっちゃな。

ケーブルカーやて、子供のころに高野山で乗ったやつ以来やわ。
ちょっとワクワク。
ビヨ〜ンと動き出したケーブルカー。
すぐに平地の景色が広がりますが、ハイ到着。
はやっ。

cable.JPG

アルタの駅を降りると…
ふっわ〜  ここは…中世やん。
小1時間もあれば一回りできそうな、
ほんまのほんまにちっちゃい町ですけど、
石畳の細い道歩いてたら、タイムスリップした感じ。
いや、これほんま、ええわぁ〜。

ここベルガモ、日本ではマイナーかもしれんけど、
実際にはわりと世界中から観光客がぽつりぽつりと来はるんやそうな。
ぽつりぽつり…やっぱりマイナーか。

bergamoalta1.JPG

イタリアゆうたら靴。
靴屋にもケーブルカー。
うっまいことディスプレイしてはる。
城壁に囲まれたちっちゃい町ながらも
広場やら建築物なんかの見どころもけっこうアリ。
でも、私はこの町並みの中ゆっくりとプラプラしてるだけで十分。
最後に城壁にたどり着いたら、けっこう時間たってました。

bergamoalta2.JPG

今日はただただ観光。サイトシーイン。
のんび〜りした時間過ごして平和に終えよう。
陽も暮れてきたし、そろそろミラノへ戻りましょう。
ベルガモ駅から乗ってまたガタゴトガタゴト。
検札きよったな。
おぉ、来たときとおんなじ車掌さんやん。
みんな切符出して検札してもろてるわ。
私も出しとこ…
って車掌さん、チラッとこっち見てスルーかよ。
仕事せんかい。

EMILIANO

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2011年02月15日

伊太利亜日記-16


2月15日

昨夜泊まったホテルは
ミラノ中央駅からすぐの高層ホテル。
イタリア来てから初めての近代的なホテル。
ドアもカードキーでリッチな気分。
今までは、
鍵穴から部屋の中覗けるんちゃうか?って古めかしい…
いや、伝統的なホテルでしたけど、
これはこれでええ感じ。

milanohotel.JPG

部屋も高層階でええ眺め。
高すぎて窓が開かへんけども、
電動スイッチで雨戸が開け閉めできよる。
いちびってスイッチオン。またいちびってスイッチオフ。
そしたら急にガタンゆうて雨戸がヒュ〜っと落ちていきよった。
大丈夫なんかい。
下に誰もおらんことを願います。


ミラノでの目的。
カルチョ界のスカラ座ゆわれてる競技場に行くこと。

………

この日から更に遡ること数年前。
”ワールドサッカーなんとかかんとか”ゆう雑誌の読者投稿欄に、
学生のころに一緒にプレイした後輩のOクジョくんが投稿してやがった。
結婚したてのホヤホヤの奥さんと、
観戦かねてミラノにハネムーンなんやと。
まぁそんだけやったら私が編集長でもボツですが、
"ACミラン"のショップで、当時のエースプレイヤー、
サビチェヴィッチと一緒に写真に納まってやがる。
おまけに小生意気にも「来シーズンはオレとツートップ組もうぜ」やて。
今度会うたら死ぬまで走っとけゆうたんねん。
センパイは偉いんです。

………

ミランのショップにはなんの興味もあらへんのですが、
1990年のワールドカップの開幕戦を生中継で観て、
ゲーム内容よりもスタジアムの雰囲気にシビれた私は、
ぜひともその時のミラノのスタジアムには行ってみたかった。

s.siro4.JPG

”ジュゼッペ メアッツァ”…通称”サン シーロ”。
ミラノの街のはずれ、サンシーロ競馬場の隣にバカでかく構えてやがる。
日本の、無機質な陸上競技場なんかとは全然ちゃう、
らせん状の芸術的な外観。
さぶイボもんです。

s.siro1.JPG

このスタジアム、
ミランと、もひとつのミラノの名門”インテル”がホームとしてつこてはる。
この日はインテルのゲーム。
そやけど切符てどこで買うんやろ?
とりあえず、スタジアムのまわりぐるぐるしてみよか。

で、さすがにサンシーロ。
8万5千人ぐらい入るそうなんですが、
ぐるりと一周すんのにも時間かかります。
所どころにパニーノ屋台なんぞありまして、
「1コくださいな。ついでにビールも」
こいつがまた塩っ辛ぁてビールに合いよる。

もぐもぐしながら更に歩くと、
にーちゃんが寄ってきはった。
「ビリエ〜ット?」
「なんや切符かいな…持ってへんがな」
「え〜っと、1枚あるよ」
こいつダフ屋かいな。あぶないあぶない。ふっかけられるがな。
「プライスダウン。どぉ?」
なんや、まけてくれんのかいな。ちょっと付き合うたろ。
「どこの席やねんな?」
「ゴールの後ろ。OK?」
「OKちゃうがな。ゴールの後ろて過激やヤツが陣取るとこやないけ」
「ノープロブレム。今日の相手、ノープロブレム」
ほんまかいな、そんなことゆうてうまいこと買わそとしてんねやろ。
ニッポン人は善良なんやどぉ。
「インテルーミラン、プロブレム。インテルーユベントス、プロブレム。今日はインテルーレッチェ、ノープロブレム」
「もぉええから、わかったって。ほんでなんぼで売んねん?」
「フォルティ サウザン リラ」
「フォーティ サウザン?」
「いや、フォルティ サウザン」
「いや、だからぁ、フォーティ サウザンやろ?」
「いや、フォルティ…」
「ええかげんにせいっ。クアランタ ミラ OK?」
「Si ! grazie」
最初からそないゆえ。

なんとか切符をゲット。
約束どおり40000リラはろて、握手。でもよお見たら定価は42000リラ。
試合開始まではまだ時間あんのに、ダフ屋のくせに安売りです。
「あっそうそうシニョーレ、インテル負けたらプロブレムやから」
先ゆわんかい。

さてと、開門したし、中入っとこ。
入口で、なんやら警官がボディチェックしてはる。
それもどおやらゴール裏の席だけみたい。
大丈夫なんやろか?
それはそうと、婦人警官がこらまたベッピンさん。
あの人にしてもらいたいわぁ。
ってゆうても、婦警さんは女性のボディチェック要員。
男性は見るからにコワモテのお巡りさん。
お〜コワ。

s.siro2.JPG

スタンドに入ると、そらぁもう絶景。
これがサンシーロか。
それにしても…デカイ。
ここで繰り広げられるプレイはどんなんやろ?
しばし想像…
後ろの方からドスン。またドスン。
振り返ると、
3階席からみんな飛び降りてはる。
私の座ってる席は2階席。日本円で約2000円ほど。
3階席は更に安くて、とりあえず3階に入って2階に飛び降りやがる。
恐るべしケチくささ。
実際、3階の最前列からは2階に飛び降りれるくらいの高さでして、
2階席は見る見る埋まっていきよる。
で、2階から1階は…よくて骨折。やめましょう。

スタンド内はアルコールの販売は原則禁止のようでして、
唯一、コーヒーリキュールだけが売られてました。
甘くて、カラダもあったまる人気商品。
まわりの人もみな飲んではる。
しかも…こいつら売り子に値切りよる。
甲子園で、
「ビールいかがすかぁ〜」
「なんぼや?」
「500円す」
1本もろて、300円だけ払う。
「えっ、足りませんけど」
「300円にせぇ」
こんな感じ。
客が値段決めるんや。

別の人は…
紙に、ふんふん、タバコの葉っぱか。
んっ?なんか混ぜよったぞ。
くるくるっと巻いて、ぷかぁ〜っ。
となりの人にペシペシっとほっぺた叩いてもろたりつねってもろたり。
それラリってるんちゃうの?

そろそろ選手の入場。
所どころで発炎筒の煙が上がります。
初めて知りましたが、
発炎筒って目ぇシカシカしよる。
って、この時期にはすでに発炎筒の持込禁止になってたはず。
ボディチェックもあんのになんで?
答えはカンタン。
前日に持込んで隠しとくんやそうです。
なぜなら、
当日は警備が厳重でも、前日は全然警備してへんらしい。
それでええんかいな?

この日のお目当てはロナウド。
ポルトガルの同名のイケメンがまだガキのころの、
ブラジルのスーパースターですな。
スーパースターってゆうのは、ほんまにスーパーなヤツ。
この日のロナウドも、ほんまにスーパーでした。

  

ゲームはインテルの圧勝。
スキンヘッズも、
革もんリベットもんにチェーンじゃらじゃらなにーちゃんも、
真冬やのにハダカでタトゥー丸出しのオヤジも、
みーんな仲良しおともだち。
贔屓のチームを応援するヤツに悪いヤツはおらんと信じてはる。
ラリってたにーちゃんも…
そーとー酔おてはる…ってなんに?
「オメーも1本やるか?」
いや、あの…遠慮しときます。

EMILIANO

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2011年02月14日

伊太利亜日記-15


カラビニエリ…CARABINIERI
イタリアの警察のひとつですが、
日本語でゆうたら…
まぁ、憲兵だの軍警察だのゆうことらしい。
なので軍人さんなわけですが、
実際には普通の警察みたいな事もやってはるそうです。

このカラビニエリ、
昔はどんなアホでもどんな○○でもこんな××なヤツでも入れたそうな。
そおゆうわけでイタリアには、
カラビニエリを小バカにしたようなジョークがけっこうあるらしい。
でもって、彼ら自身がカラビニエリの公式サイトでジョークを募集…
ってゆうこと自体がジョークなんやとか。
転んでもタダでは起きんヤツらです。

そんな彼らカラビニエリ。
正直ゆうてかっこええ。
なんせ制服がオシャレ度100点満点でして、
ズボンの赤線なんかは
かつて「線がなかったら裏表わからんから…」
そないゆわれて小バカにされてたらしいけど、
「この赤線がシブいんやんけ」ってゆうてもええんとちゃいますか。

で、パトカーもかっこええんです。
紺色ボデーに天シロ。
サイドにシロ字で"CARABINIERI"。
こいつがアルファロメオの最新型やったりするもんやから、
事件が無くてもすっ飛ばしたくなりますわな。


110214_2034~01.jpg
町のミニカー屋さん。
おもちゃ屋さんちゃいまっせ。
ミニカーは子供のおもちゃとちごて、
あくまでオトナの趣味のもん。
部屋に飾ってニタニタ笑うためのもんですが、
こんなミニカー屋さんのショウウィンドウにも
カラビニエリのミニカーやらヘリコプタやらなんやらかんやらでジオラマ造ってたりしはります。
私もそんなミニカー屋さんで1台ゲット。
”アルファロメオ 75 カラビニエリ仕様”
その後、何台も買ってしまうことになる、
最初のアルファロメオのカラビニエリ。
しまいには1/43のニミカーやのおて
1/1が欲しなってしまうきっかけになったヤツ。
さすがにカラビニエリ仕様の1/1は手に入らんやろなぁ。


2月14日

午前中、テキトーに町ぶら。
ふと見つけたミニカー屋さんのショウウィンドウは
おそらく日本では買えんやろなってニミカーがズラッと。
その中の1台、カラビニエリ仕様のアルファロメオが欲しなって店内へ。
「こいつは箱があらへんのやけど…」
「いいですよ、これが気に入ったから…こおて帰ります」

サンカルロ広場のカフェでもいちど、一杯だけ。
ここのバリスタさん、
うまいことカプチーノに葉っぱの絵ぇ描きはる。
たいしたもんや。

ぷらぷらしてて思ったんですが、
この町、デカい町ですが、
ガヤガヤしてないってゆうか、洗練されてるってゆうか…。
どこかみなさん、さりげなく紳士淑女。
ほんま居心地のええとこでした。
でも、そろそろ行こかな。
午後の列車でミラノまで。

tank.JPG

ポルタ ヌオーヴァ駅を出てしばらく行くと、
戦車って貨車で運ぶんや…。

alpi.JPG

さらに進むと、
左手に見えるアルプスの山々。
日本アルプスやのおて、ほんまもんのアルプス。
さぶそやなぁ。

1時間半もせんうちに、ミラノ中央駅に。
なんか…このときドッと疲れが。
ラリってそうな兄ちゃんがなんやら話かけてきよるけど、
「なんじゃい、ワシ疲れとんねん」
怒るときは日本語にかぎります。
で、きっと私の目のほうが据わってたんでしょう。
「え〜と…」
目ぇ泳がせてどっか行きはりました。
デッカイ駅の近くは治安が悪い…ウソではないもよう。
ミラノ中央駅…デッカイねぇ。
しかしあえて、この辺に宿とるか。
このドキドキ感。駅前が大好きです。

EMILIANO

milanoc..JPG
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2011年02月13日

伊太利亜日記-14


2月13日

今日も早起き。
ふとテーブルに目をやると、ジャンドゥーヤが2つ。
まぁ、サービスやろ。食うたれ。
ジャンドゥーヤ。
ヘイゼルナッツのチョコレート。
トリノ名物のひとつです。
さぁ、甘いもん食って元気出た。
今日も一日気合やぁ。
窓をバーンと開けると…お陽さんの光と一緒に排気ガスの臭いが。
さすがトリノ、自動車産業の町…。
閉めとこ。

ジャンドゥーヤの他にトリノゆうたらコレってゆうのがカフェ。
トリノは昔からカフェ文化が根づいてる町なんやそうです。
画家やら音楽家やら作家やら、
そんな文芸人も貴族も政治家も、
カフェで一杯やりながら、
あーでもないこーでもないとか議論してたんやそうです。

mappa_torino2.gif

そんな昔からある由緒正しいカフェは、
サンカルロ広場ゆうとこに面して並んでて、
このあたりのカフェは店内も重厚感あったりキランキランしてたり、
店員さんもみなさんピシッとしてはります。

一見たかそうに見えますが、確かにたかい。
が、それはテーブル席にヨッコイショと座ったときだけ。

caffetorino.JPG

イタリアの常識…その1
イスとテーブルには付加価値あり。
さらに、
店の前のテラス席なんぞは、景色っちゅう価値まで付いてきよる。
じっくり議論したい人はこちらへどーぞ。
カップやらグラスやらがカラになっても、
「なんか入れましょか?」
そんな不粋な店員はいてへんらしい。
さすが由緒正しいカフェ。ケチくさいヤツはおらんもよう。

で、私のようなケチくさい不粋なヤツは、
カウンター…バンコゆうらしい。銀行???
そのバンコでエスプレッソだけ注文します。
立ったまんまで砂糖ドバッと入れてぐるんぐるんかき混ぜる。
グビッと飲んで、しめて1500リラ。
当時のレートで90円か100円か、そのくらい。
ただし注意。
トリノのカフェのバンコは高い。値段やのおて高さが。
そやから多少飲みにくいかも。
ちょっとちっちゃ目…いや、小柄な女性やったら、
中のバリスタさんからはオッパイから下はたぶん見えません。

その話で思い出しましたが、
ちょっとちっちゃ目…いや、小柄な男性やったら、
トイレで背伸びせなあかんかも。
便器の位置がほんまに高い。
イタリア人てそんなに背ぇ高かったかぁ?
足長いだけか。
で、私はもちろん十分届きま………す。


ふと忘れもんに気づく私。
部屋にフィルム忘れた。
一度部屋に帰ると、すでにベッドメイキングのおばあちゃんが。
すると…
「これは…もらってええのんか?」

じつは今回の旅行で実験してたことがありまして、
題して・・・”枕ゼニはホンマに必要なのか?”・・・

イタリアの常識…その2
結論から申しまして、たぶんいりません。
今回、どのホテルでも2泊以上はしてるんですが、
1泊した翌朝、1000リラとか2000リラとかをベッドの横の台とか、
部屋のテーブルとかに置いといたんですが、
たいていは触れもせんとそのまんま。
ご丁寧に、風で飛ばんように重しのっけてくれてたところもありました。
で、ケチくさい私やったら本来は
「ほな、財布にナイナイしとこ」となるんですが、
実はほんまはケチくさくない太っ腹やった私は、
もう1000リラ足して、"grazie"と書残したメッセージと一緒に、
わかりやすいとこに置いとくのでした。

で、トリノのホテルのおばあちゃん。
「ええんか、ええんか、ええのんか?」
「ばぁさん、帰りにお茶でもしてから帰んな」
おばあちゃん、今にも泣き出しそうなお顔で何度も
「おおきに、おおきに、ありがとうやで…」
こっちまで涙出てきそうです。

えらい時間くってしもた。
私は行かなあかんとこあんねん。

more2.JPG

”モーレ・アントネッリアーナ”
トリノのシンボルタワーです。
もともと19世紀にユダヤ教の礼拝堂かなんかで建てられたんやとか。
いまはエレベーターで一気に上れる展望台。
ボローニャでもジェノヴァでも高いとこ上ってんやさかい、
んなもんへっちゃらじゃぃ。上ったろやないか。

建物内部のエレベーターで一気にスゥ〜っと上るんですが…
このエレベーター、壁があらへん…いや、壁の部分が全面ガラス。
意外と怖いでっせ、足の先から下が見えんの。
ガラス割れたらどないすんねん?
すでに下半身にチカラ入らんようになってしもてる。

more1.JPG

上ってしもたら…
真下さえ見んかったら見晴らしええですな。
もちろんこの搭も風吹きざらしですが。


帰り道、ジェラート屋さん発見。
甘いもん好きのお子ちゃま仕様の私にとっては、
まさに砂漠のオアシス。
歩き疲れたときは甘いもん。
どうやらママさんと子供が先客のよう。
1年生ぐらいの男の子。
ママさんに買ってもろたんでしょうな。
じつにうまそうにペロペロしてやがる。
「うまいか、ボウズ」
「うますぎ〜」
「なんのジェラートや」
「ピスタチオ〜」
ピスタチオゆうたらオトナのおやつやないけ。
そんなもんビールの横っちょに付いてくるもんやど。
ママさんちゃんと教育せな。

「で、おっちゃんなんにするん?」
「ピスタチオはオトナになったら食べなさい。おっちゃんは…メロン味や」
どっちが子供やねん?

torinoice.JPG

子供のころのメロンアイス…あのメロンの形の容器に入った、
全然メロン味やないメロンアイスが好きやった私にとっては、
メロンの選択肢があるんやったらメロン味。
うん、ここのメロンジェラートはメロンの味しよる。
私、メロンのアイスって緑色って決まってるもんやと思ってましたが、
トリノのメロンジェラートは…これ何色?


いやいや、今日もよう歩いたわ。
そや、今朝部屋で見つけたジャンドゥーヤ、あれうまかった。
帰り道でこおて帰ろ。
さすがトリノ。ジャンドゥーヤ屋さんなんかあるんです。
「すんません、これ1箱くださいな」
10個ほど入ったやつこおて部屋に直行。

え〜と…テーブルの上にはジャンドゥーヤが袋ごと…
10個どころやあらへんで。
はぁ…あのおばあちゃん、
気ぃつこてジャンドゥーヤてんこ盛り置いてってくれはったんやなぁ。
って、さっきこおた10個入りどないしてくれんねん。

EMILIANO


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2011年02月12日

伊太利亜日記-13


2月12日

またテレビつけっぱなしで寝てしもたもよう。
朝もはよから、いかにも深刻そうなニュース番組風のジングル鳴っては
おんなじニュースのヘッドライン、天気予報、星占いとかの繰り返し。
もうほんまこればっかし。
10分間隔ぐらいでエンドレス。
いつになったらちゃんとした放送始まるんやろ?
そやけど、ず〜と見てたらなんとなくわかって…きませんな。
唯一理解できたんが、
さそり座はイタリア語で”スコルピオーネ”ゆうことだけ。
あまりにも繰り返し繰り返しジングルが鳴るんで、
ふとしたときに口ずさんでしまいそう。



天気予報どおり、今日もええ天気。快晴です。
このホテルは高台にあるんですが、
この裏はさらに小高い丘になってるもよう。
天気もええことやし、丘の上まで朝の散歩でもしてみたろ。

教会でもあるんですかね。
向こう側から神父さんが歩いてきはって、
すれちがいざまニッコリ笑って「ボンジョルノ」
「あぁどーも神父さん。おはようさんです」
ジェノヴァで初めて物腰柔らかい人に出会いました。
こりゃ今日はええことあるんちゃうか。

そのまま丘のてっぺん目指して歩きます。
なんか鼻がむずむずしてきよんなぁ。
このむずむず感はなんか覚えがあるで。
目の前に、でっかい杉の木がデーンと現れたんは数分後。
この木さえ無かったら、
おそらくは爽やかであったやろう春を思わす心地ええ風が吹くたび
ワッサワッサと揺れる枝。
そのたんびに、霧状に噴出したように見えるもんは…。
あれこそは花粉症イジメの杉花粉。
そらもぉ、涙ダ〜、鼻水ダ〜。
即、退却決定。
おとこまえ台無しです。

さてと、旧市街もセリエAもペーストも、
豪快なおっちゃんたちも股下0センチのミニもすっかり堪能。
おまけに花粉の猛攻まで堪能したさかい、
そろそろジェノヴァとほなサイナラ。

じつはこの時点で、予約してるミラノ発の帰国便まで1週間きったとこ。
ここからミラノまでは…1時間ちょいってとこか。
フランスまでは…海沿い行って2時間か。
…モナコのカジノ。
ブラックジャックで大もうけ。
オテル・ド・パリでおねーちゃんに囲まれて、
泡々のバスタブに浸かってちちくりあってる私…。
ええがな。
が、しかし、
…モナコのカジノ。
ブラックジャックで一文無し。
別室で怖いおにーさんに囲まれて、
地中海の底でお魚さんにちちくられてる私…。
やっぱりやめとこ。

で、ついこないだまでクルマ屋やった私。
イタリアで自動車産業支えてるとこ…トリノに行ってみよ。

mappa_piemonte.jpg

トリノの表玄関、ポルタ ヌオーヴァ駅。
え〜と、端から1番線2番線…20、21…24番線…かな?
東京駅とちごて、
平面でズラ〜っとならぶ行止り式のホームは壮観ですな。
この町、相当デカいとみた。

トリノ。
イタリア第3の都市。
国民的自動車、フィアットのお膝元。
カルチョ界の巨人軍、ユベントスの本拠地。
チョコレートのジャンドゥーヤは素晴らしい。

駅前にいくつかホテルがありまして、
フロントのおねーちゃん…
昔風の”かわいこちゃん”って言い方がピッタシの女の娘がいてるホテルに決定。
その飛びっきりの笑顔はどっから来んねん?

荷物を置いてさっそく出かけてみよ。
あ、そうそう、フロントでタダの地図くれるかな?
あくまで地図もらう為であって、あの娘としゃべる為と違います。
が、しかし、フロントには無愛想なおっちゃんしかおらん。
スルーしたろかぃ。

地図によると、
町外れのポー川…イタリアで1番長い川らしい。
この川沿いにクルマの博物館があるんやとか。
こら行っとかなあかんがな。

mappa_torino.gif

そやけどトリノはデカい。
町外れゆうても…けっこうあるがな。
で、便利なんがトラムゆう路面電車。チン電ですな。
「ポー川までいきまっか?」
「おぅ、まかせな」
こいつに乗って出発進行。

po.JPG

このトラムの終点はポー川沿いの停留所。
ここからテクテクと歩くと…

museodell'automobile.JPG

"MUSEO DELL'AUTOMOBILE"
そのまんま”自動車の博物館”です。
切符ゲットしてご入場。

312t.JPG

へっ…へっ…へらーり…いや、フェラーリ。
こいつぁなんと…ジル ビルニューブが飼いならし…いや、操縦してた
え〜と、312T/4…やったらバリバリの…
いや312T/5かな?そやったらズタズタの…
どっちにしても1980年前後あたりのF1マシン。
しかも、もっとも愛されたフェラーリドライバーが乗ったヤツ。
かっこええがな。

ここには、
ほかにもマニアックなスポーツカーやらレーシングカーがズラリ。
思わずほっぺたスリスリしたなるクルマたち。
あの滑らかな曲線が…あの微かな膨らみが…
私、ただの貧乳マニアではありません。

EMILIANO

posted by Master at 04:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行記